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ルルドのマリア様のご出現 
1858 211日~716日)


この翻訳は
「I centocinquant’anni di Lourde」
(ルルドの150年)より翻訳されたものです。


Lourdes: 11 Febbraio-16 Luglio 1858
 ルルド 1858年2月11日~ 7月16日
"Quella cosa ha la forma di una fanciulla”
「アレ」は若い女性です”


翻訳者:Mastrotto Severino
マストロット神父
今から150年前の1858年に(1858年2月11日~7月16日の間)フランスのルルドの近くのマッサビエルの洞窟
聖母マリアは、
14歳の少女ベルナデッタ・スビルーの前に18回出現されました。


211日 木曜日:第1回目のご出現

 ベルナデッタは、妹のトワネットと友だちのジャンヌ・バルム(Jeanne Baloum)と共にガーブ川の方へたきぎを取りに出かけて行きました。川を渡ろうと思って裸足(はだし)になろうと、靴下を脱ぎ始めました。ちょうどその時、風のような音を
聞きました。後ろを向いても木は動いていませんでした。オヤッと思いましたが、また、靴下を脱ぎ始めました。すると、再び先ほどと同じ風のような音を聞きました。今度は、洞窟の方を見ると、洞窟は明るくなって、その光の中でニコニコと微笑(ほほえ)んでいらっしゃる、全身真っ白な方が現われた。白い長い服を着て、白いベールを被(かぶ)り、青い帯を締(し)めて、足下(あしもと)には2つの黄色い薔薇の花がありました。そして金の鎖のロザリオを腕(うで)にかけていました。驚(おどろ)いて、錯覚ではないかと思い、目をこすって、もう一度よく見ましたが、やはり同じ方が立っていらっしゃいます。ベルナデッタは、思わずポケットに手を入れロザリオを出しました。十字を切ろうとしましたが、額まで手を上げることすら出来ずに自然に落ちてしまいました。ベルナデッタは、恐ろしくなって、手は震えてしまいました。しかし、その場から離れようとは思いませんでした。
その美しい女の人は、腕にかけていたロザリオを手に持って十字を切りました。それを見てベルナデッタも十字を切ることができました。十字架のしるしをすることに成功した後では、不思議なことに恐れの気持ちがなくなりました。
ベルナデッタは、跪(ひざまず)いて美しい女の人と共にロザリオを唱えました。その美しい女の人は、ロザリオの玉をつまぐっても唇は動いていませんでした。ロザリオを祈り終えてから、ベルナデッタに近づくように促(うな)がされました。しかし、ベルナデッタは近づこうとはしませんでした。すると、その美しい女の人の姿は突然に消えて見えなくなりました。
帰り道で、妹のトワネットと友だちのジャンヌに、今、見た美しい女の人のことを話しました。そして、二人には誰にも話さないようにと約束をして貰いました。しかし妹のトワネットは、両親にベルナデットから聞いた話を話しました。両親は夜になってベルナデッタに聞き正しました。そして両親は、ベルナデッタに洞窟に行くことをきつく禁じました。
この第一回目のご出現はお昼の時間でした。第十四回目と第十八回目は夕方のご出現、その他のご出現は全て午前中の出来事です。

                                                          

ベルナデッタ14歳の時

214日 日曜日:第2 回目のご出現

 この日は、灰の水曜日の前の日曜日でした。「次の日曜日には、私は二回目の出現のために洞窟に帰ります」と言う声が心の中に強く響(ひび)いて特別な力を感じていたので、ベルナデッタは、この日を良く覚えています。それでベルナデッタは、「またマッサビエルの洞窟に行きたい」と母親に言いましたが、母は絶対に駄目(だめ)だと禁じました。日曜日の荘厳なミサの後で、妹のトワネットと友だちのジャンヌと共に、もう一度、母親に洞窟に行く許可を願いに行きました。しかし母親は絶対に許しませんでした。なぜなら川に落ちて、夕の祈りの時間に間に合わないのではないかと心配だったからです。ベルナデッタは、夕の祈りの時間までに帰ることを約束して、母親から許可を貰いました。
洞窟に出発する前に、聖水を小さなビンにつめるために教会に寄りました。洞窟に着いて直ぐに、ロザリオを唱えるために、3人は自分のロザリオを出して跪きました。ロザリオの祈りの“恵みあふれる聖マリア”を10回祈り終えた時、この前と同じ美しい女の人が現われました。
ベルナデッタは、直ぐにその美しい女の人に向けて聖水をふりかけました。そして「もし神様から使わされているお方でしたら、私から離れないでここにいて下さい。そうでなければ、離れて消えて下さい。」と言いました。しかしその美しい女の人は、ニコニコと微笑んで、頭を少し前に曲げて立っていらっしゃいました。その時ベルナデッタは、うっとりとして脱魂状態となり、体が硬直したので友たちは彼女を動かすことが出来ませんでした。二人は怖くなって、助けを求めに行きました。ちょうどそこを通りかかった力持ちの粉屋のニコロが、力いっぱい引っ張って、少しずつそこから離れさすことが出来ました。
ベルナデッタの評判はルルドの町中に広まり始めました。お母さんはベルナデッタのことが心配になって、洞窟へ行くことをもう一度固く禁じました。

218日 木曜日:第3回目のご出現 
                                                                       
金持ちと結婚したミレ(Milhet)夫人は、好奇心から、ベルナデッタが、もう一度マッサビエルの洞窟に行く許可を母親に頼みました。ミレ婦人は、ベルナデッタに紙とペンを渡して、洞窟に現われる美しい女の人に名前を書いて貰うように、命令しました。洞窟に着いて、ベルナデッタがロザリオの祈りを祈り始めると直ぐに、いつものように美しい女の人が洞窟に現われました。
「あなたのお名前を書いて下さいませんか?」とベルナデッタは、紙とペンを差し出してお願いしました。この時、初めてベルナデッタはこの美しい女の人の声を聞きました。美しい女の人は「必要ではありません」と微笑(ほほえ)まれて、とても優しい丁寧な声で「これから15日間、毎日、ここに来てくださいませんか?」とベルナデッタに願いました。ベルナデッタは、直ぐに「はい」と答えました。そして、この美しい女の人は、ベルナデッタにこの世ではなく天国で幸福を与えることを約束しました。ベルナデッタは、15日間、毎日洞窟に行きました。この美しい女の人は、月曜日に一度と金曜日に一度を除いて、毎日洞窟に現われました。

219日 金曜日:第4回目のご出現

この日の、出現は15分間位でした。ベルナデッタは伯(お)母(ば)(お母さんの姉)のべルナルド・カステロ(Bernarde Casterót)から貰った蝋燭を持って、伯母(おば)たちは10人でマッサビエルの洞窟に来ました。美しい女の人は静かに微笑(ほほえ)んでいらっしゃるだけでしたが、ベルナデッタは身ぶりで自分の意思を答えていました。「ベルナデッタは、手と頭によって挨拶していた」と友達のジョセフ・バランク(Josephe Barinque)は証言しています。バランクが見ていると、ベルナデッタはこの美しい女の人にとても丁寧に挨拶をしました。バランクは、ベルナデッタがこの美しい女の人に挨拶をするのを見るのが楽しみでした。この美しい女の人はベルナデッタにしか見えませんでした。

220日 土曜日:第5回目のご出現

ベルナデッタは出現される美しい女の人を待ちながら、ロザリオを唱え始めた時に、自分の周りには30人位の人が集っていました。この日も出現は15分間位でした。「ご出現の時にベルナデットのまぶたは、ずっと下がりません、挨拶した時も頭を下げた時にも、まぶたは下がりません」とロジナ・カゼナバ(Rosine Cazenave)は言いました。

221日 日曜日:第6回目のご出現

今回(四旬節の第一日曜日)、洞窟に出現される美しい女の人は、お言葉はなく、黙って、微笑みながら身振りをされるだけです。お昼から、政府の役人である警察署長のジャコメ氏が、このことは幻覚(げんかく)ではないかと思って、ベルナデッタに質問しました。 この時からベルナデッタは初めて「アケロー」[Aquero]と言う言葉を使い始めました。「アケロー」と言う言葉は、ルルドの方言で“あれ”と言う意味です。このマッサビエルの洞窟に現われる美しい女の人(“あれ”)は、ベルナデッタにだけ見えました。

警察(けいさつ)署長(しょちょう)のジャコメ氏は、取り調べとして質問を始めました。
「ベルナデット、毎日マッサビエルに行っていますか?」
「はい、先生」
「何か綺麗なものを見ましたか?」
「はい、先生」
「では、ベルナデット、あなたは聖母マリアを見たのですか?」
「いいえ、私は聖母マリアを見たとは言っていません。」
「あぁ、そう、では、あなたは何も見なかったのですか?」
「いいえ、違います。私は何か見ました。」
「じゃあ、いったい何を見たのですか?」
「何か白ものを見ました。」
「何かを見たのですか? それとも誰かを見たのですか?」
「“あれ”(アケロー)は、お嬢様の姿です。」
「その女性は『私は聖母マリアであると言われませんでしたか?』」
「“あれ”(アケロー)は、そういうことは言ってくれませんでした。」

223日 火曜日:第7回目のご出現

警察署長の厳しい命令に従って、ベルナデッタのお父さんは、22日の月曜日には、洞窟に行くことをベルナデッタに禁じました。ベルナデッタは父親に従順に従いましたが、しかし午後から心の中でマッサビエルの洞窟に行きたいというとても強い衝動が起こりました。父親に禁止されていましたが、ベルナデッタは洞窟に行きました。しかし、その日にはご出現はありませんでした。
次の日23日は、ベルナデッタが洞窟に行くことを両親は許可しました。この日のご出現は、一時間位でした。その日のご出現には、150人の人が集まりました。ベルナデッタが脱魂(だっこん)状態の時に、エレノラがベルナデッタをピンで刺しました。しかし、ベルナデッタは痛みを感じませんでした。エレノラは次の年にシスターになりました。
“あれ”(アケロー)はベルナデッタに、ベルナデッタのためだけの特別な祈りを教えました。その時からベルナデッタは、生涯その祈りを毎日祈りました。そしてベルナデッタに三つの秘密を知らせました。この秘密は、ベルナデッタ自身のことですと言われました。

                                                         

224日 水曜日:第8回目のご出現

この日始めて洞窟に出現される美しい女の人は、皆のためにメッセージを伝えました。今日、“あれ”は、新しい言葉を言われました。「償い!」続けて「罪人の回心のために神様に祈って下さい。」ベルナデッタは「はい」と答えました。そして美しい女の人は、「このことは、あなたにとって辛いことですか?」とたずねられました。ベルナデッタは「辛くありません」と答えました。そして美しい女の人は、ベルナデッタに洞窟の近くまで続く坂を、跪いたままで上(のぼ)り、罪人の回心のために地面に接吻するように願われました。

225日 木曜日:第9回目のご出現

現在の「ルルドの泉」の源泉はこの日誕生しました。この泉は、洞窟の岩が地面と一緒になる当りにあります。この泉からルルドの全ての(プールのようなピッシャーと呼ばれる沐浴場や泉の水を汲む水が出てきます。
この日には500人位の人がいました。人々の前でベルナデッタは跪いたままで、洞窟の奥へ行く坂を上(のぼ)り始めました。上(のぼ)りながら、ベルナデッタは土に接吻しました。“あれ”の案内に従って、ベルナデッタは手で小さな穴を掘りました。その小さな穴から湧き出てきた水は泥のようであまりにも汚いので、三回捨てました。四回目に綺麗な水が出てきたので飲むことが出来ました。

227日 土曜日:第10回目のご出現

今日は“あれ”はニコニコと微笑まれているだけでした。ベルナデッタは二日前にしたのと同じ行動を繰り返します。土に接吻しなから洞窟の奥へ行く坂を上(のぼ)り、土から湧き出ている新しい水を飲みました。

228日 日曜日:第11回目のご出現

検証するために派遣された役人を含めて、ご出現の場所に集った人の数は1100人を数えました。今日のご出現は昨日のような形でした。
お昼から、アントワヌ・クラレンスはベルナデッタに“あれ”が頼まれる奇妙な行動について聞きました。
「あの方は償いとしてそのことを願いました。先ず、自分の償いのため、そして他の人々の償いのため。」とベルナデッタは答えました。クラレンスはベルナデッタに聞きます。
「何か願いを伝えようとしましたか?あるいは、何か使命を頼まれましたか?」
「いいえ、なにも…」
その日の夕方になって、ルルドの石屋の職人が洞窟に行ってベルナデットが水を飲むために跪いていたところをもっと深く掘リました。その時から綺麗な水が豊かに流れ初めました。  

                                                            

31日 月曜日:第12回目のご出現

1500人の人々の前にで、ベルナデッタは同じ償(つぐな)いの行いを繰り返します。若いデジラ神父がベルナデッタの近くにいました。ベルナデッタは、ロザリオをつま繰(ぐ)りながら、唇(くちびる)を少し動かしているのに、脱魂(だっこん)状態になっている自分の状態が良く分かりました。ニコニコと微笑(ほほえ)んでいらっしゃるお姿(すがた)のご出現は、久しぶりでした。ご出現が見えているのは、ベルナデッタだけであったのに、そこに集った人々は、このご出現の臨在を感じていました。まるで、天国の門の前にいるような感じでした。
カトリーヌ・ラタピは、妊娠の身でしたが、手が動かなくなり麻痺した手で、小さい子供の手を引いて洞窟へ行き、泉の中に手を入れると、突然に治りました。これがルルドのマリア様によって
行われた教会から認められた第一の奇跡です

32日 火曜日:第13回目のご出現

ベルナデッタは、この日のことを次のように思い出しています「“あれ”から司祭たちにここに教会を建てるようにと言う希望を伝えなさいと頼まれました。」と主任司祭のところに行って報告しました。主任司祭は、このメッセージを冷たく聞きました。ペラマール主任司祭は、疑っていました。小さな教会でもいいので建てることをベルナデットはしつこく要求します。「それなら…」とペラマール司祭は答えて「先ず、その方の名前を教えてもらいなさい。そして洞窟の当(あた)りにバラ園のようにバラを咲かせてくれれば、教会を建てましょう。この教会は、小さな教会ではなくて、とても大きな教会を建てましょう。」

33日 水曜日:14回目のご出現

この日の朝には、ご出現はありませんでした。夜の9時にご出現になり、今朝、現われなかった理由を話され「私がここに来る前に、ベルナデッタを見るために来た人たちのある人々は信仰からではなく好奇心から来ているからです」と話されました。ベルナデッタは、美しい女の人にお名前を教えて下さるように頼みましたが、この方は答えずに、ニコニコと微笑(ほほえ)んでいらっしゃるだけでした。

34日 木曜日:15回目のご出現

今日は、美しい女の人から頼まれた15日間の最後の日です。
すでに大勢の人々が集って来て、確実なしるしを期待していたので、大勢の人々の前にご出現がありましたが、人々には見えませんでしたのでがっかりしました。この美しい女の人に向かって唱えられたロザリオを終えて、ベルナデッタは、二回 十字架のしるしをしました。ベルナデッタの切った十字架のしるしは単純でしたが、喜びにあふれていましたので皆は驚きました。
従妹(いとこ)のジャンヌ・ヴェデールはベルナデットに
「どうして、三回目の十字架のしるしをすることが出来なかったのですか?」
「あの美しい女の人がされなかったので、私も額にまで手を上げることが出来なかったのです」
「どうして、ある時にはとても幸せな顔で、ある時は悲しい顔をするのですか?」
「あの美しい女の人が悲しい時には、私も悲しいですが、あの方がニコニコされる時に私もニコニコします。」

325日 木曜日:16回目のご出現

ベルナデッタは、心の中に「マッサビエルの洞窟に行きなさい」という特別な力を感じました。いつものようにロザリオを終えると、美しい女の人のご出現がありました。ベルナデッタは主任司祭の質問をこの方に繰り返します。
「お嬢さん、お願いです。お名前を教えて頂けないでしょうか?」
この美しい女の人は、静かにニコニコと微笑(ほほえ)み続けています。しかし今度は、ベルナデッタはしつこく何度もたずねました。すると美しい女の人は、目を上げて、腕を胸の高さで一つにして、こう答えられました。
「ケ・ソイ・エラ・インマクラダ・カウンセプシウ  “Que soy era Immaculada Councepciou”」 
即ち“私は無原罪の御宿りです”
ベルナデッタは、この言葉の意味が分かりませんでした。洞窟から司祭館までベルナデッタは歩きながら、この言葉を忘れないように大きな声で繰り返して言いました。司祭館に付いてベルナデッタが、主任司祭にこの言葉を言うと、主任司祭はびっくりしました。
「美しい女の人が、そのような名前を持っているはずがありません。間違いです。あなたは、この意味を分かりますか?」
と、ベルナデッタに問いました。しかし、ベルナデッタは聞いた言葉を繰り返して言うことしか出来ませんでした。主任司祭のペラマールは、ベルナデットは無知な人で、神学的な定義を知ることが出来ないことを知っています。それから主任司祭のペラマールも感動しこのことを受け入れ始めます。

47日 水曜日:17回目のご出現

この日のご出現の時に”蝋燭“の奇跡がありました。美しい女の人が現われるとベルナデッタは脱魂(だっこん)状態になっていました。ベルナデッタが手で持っていた蝋燭の炎は、15分間ベルナデットの片方の手を焼いていましたが、ヤケドはしませんでした。ドズース先生は、この現象を見て、今までの疑いを捨てて、回心して信じるようになりました。この日にも聖母はそこに教会を建てることをもう一度願いました。

716日 金曜日:18回目のご出現

太陽が沈んだ後に、ベルナデッタはもう一度、洞窟に行くようにと自分の心がひかれているのを感じました。マリア様は、始めて会った最初のご出現と同じように、そこに静かにいらっしゃいました。
「何か言いましたか?」と友だちは聞きます。
「何も言われませんでした」
ベルナデッタは、マリア様に会えたことだけで充分でした。
ベルナデットは「今日のように、こんなに美しいマリア様を今までに見たことがない」と感激して言いました。
これが、ベルナデッタが地上で聖母マリア様を見た最後でした。


                                                                   (完)