教会の典礼は3人の誕生を祝っています。 それはキリスト、聖マリア、洗礼者ヨハネの誕生です。 5〜6年ごとに洗礼者ヨハネの誕生は、今日のように、日曜日に当たります。
洗礼者ヨハネは「来るべき方」を知らせる使命を受けました。 教会が彼の誕生を祝う理由は、栄光のうちにキリストが来られる時を私たちが待っているからです。
新しい契約と古い契約の2つの時代の変わり目にいる洗礼者ヨハネは「メシアの期待」を告げ、同時に新しい時代の門を開きます。 彼は旧約聖書と新約聖書を繋ぐ人です。 神の裁きを受けるために全人類の心を準備し、世の終わりに来るべき預言者エリヤとして、聖書は洗礼者ヨハネを紹介します。 なぜなら私たちが「なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ」(参照:フィリピ3,13)進んでいるからです。 私たちは洗礼者ヨハネと共に、栄光に輝くキリストの到来に対する私たちの期待と信仰を宣言します。
イエスの先駆者に与えられた名について、聖ルカが何度も強調しています。 「ヨハネ」という名は「神は恵みを与える」を意味します。 確かに予想外の子どもを誕生させることによって、神はエリザベトとザカリアに大きな恵みを与えました。 聖マリアの訪問によってエリザベトを聖霊で満たすことで、神は彼女に貴重な恵みを与えました。 不信によって失われていたザカリアの声を取り戻すことで父になった彼に、神はいつくしみとあわれみを与えました。 救いの時を実現し始める最後の預言者として洗礼者ヨハネを遣わすことによって、神はイスラエルの民と全人類に喜ばしい恵みを与えました。 救い主と贖い主としてイエスを与えることによって、神は私たちに豊かな恵みを与えました。 私たちを赦す時、また、ご自分の神性に私たちを与らせることによって、神は驚くべき恵みを与えてくださいます。
「およそ女から生まれた者のうち、ヨハネより偉大な者はいない」(参照:ルカ7,28、マタイ11,11) とイエスは断言しました。 自分のそばに来た人々に回心の洗礼を受けることを誘いながら、洗礼者ヨハネは「主の道」を整えました。 昔、預言者イザヤに言われた神の言葉を、聖霊に満たされた父ザカリアは口を開いて、もう一度宣言します。 「わたしの子は神の預言者と呼ばれ、主の前を歩み、その道を整えます」と。 あなたは「国々の光として地の果てまで救いをもたらす者」となるでしょう。
洗礼によって私たちも「主の道を整える」ために「世の光」となりました。 神の言葉に耳を傾けながらこの道を、まず自分たちのために整えましょう。
毎日、永遠の命の言葉で私たちの信仰を養いましょう。 なぜなら、神の声を聞き、神の意志を行なう人々に、神は偉大な恵みを与えるからです。 また自分のために主の道を整えることによって、容易に私たちは他の人々にとっての神への道となるからです。
私たち一人ひとりが神に愛されていること、また世のために役に立つ使命を受けたことを洗礼者ヨハネの誕生は私たちに思い起こさせます。 私たちはこの使命を謙遜に忠実に果たす必要があります。
「あの方は栄え、わたしは衰えねばならない」(参照:ヨハネ3,30)と言った洗礼者ヨハネは、また私たちにへりくだる必要性を思い起こさせます。 ですから、謙遜に私たちは自分の人生の中の大きな場所をキリストに与えましょう。
そして、キリストの再臨に対する私たちの期待は宣教的な目的を持ち、同時に生き生きとした期待であるために、洗礼者ヨハネが神のそばで私たちに執り成すように願いましょう。
アーメン。
グイノ・ジェラール神父
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