今 月 の こ と ば
2017年01月
雄鶏
 
 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。今年は酉年です。ところで、皆様は雄鶏がフランスを象徴するものとして使われていることをご存じでしょうか。理由は次のようです。フランス人の祖先のことを、フランス語ではゴロワ(gaulois)と言います。日本語ではガリア人という単語です。ラテン語ではガルス(Gallus)と言い、この言葉は雄鶏とゴロワの両方を意味します。フランス語でも、鶏類はガリナセ(gallinaces)です。ローマ人たちは、死を恐れずに闘うガリア人兵士の決して強敵に屈しない勇猛果敢な態度と、雄鶏の戦う時の勇敢さと誇り高い態度を重ね合わせてガリア人の象徴とし、雄鶏のことをゴロワと呼んでその勇敢さにあやかろうとしました。ちなみに、鶏の学名Gallus(ガッルス)はこれに由来するものだと言われています。これがフランスのシンボルとして雄鶏を使うようになった起源だと言われています。

 雄鶏の泣き声は夜明けを知らせますので、暗闇に打ち勝つ光の象徴です。ですから、昔から雄鶏はキリストの復活のシンボルであり、揺るぎない希望と信仰、命の勝利の象徴でもあります。それで雄鶏は風見鶏として教会の屋根の尖塔に置くことになりました。風見鶏の雄鶏は特にイエスの再臨を告げ知らせます。また、体の復活のシンボルとして、フランスでは、戦争で亡くなった死者を記念する墓碑の所に飾っています。中世の時代からフランス革命期にかけて、雄鶏は版画や硬貨に登場していました。しかし、ナポレオンは雄鶏には強いイメージがないと言って、その替わりに鷲をシンボルにしようと試みましたが、長くは続きませんでした。雄鶏がフランスの象徴として広く使われるようになったのは、特に第一次世界大戦の時でした。

 現代ではフランスのオシャレなスポーツ用品ブランドの服のデザインle coq(ル・コック)となっています。雄鶏のマークはエネルギー、戦う精神、勇気,根強さを表しています。確かに、雄鶏をフランスのシンボルとすることが好まれている理由は、次のようなおもな理由からだそうです。フランス人の国民性は、誇り高く、自信過剰であり、強情で、勇敢、声が大きく喧(やかま)しいという点で、雄鶏のイメージとぴったり合致しています。

 私はこのようなフランス人であり、そして雄鶏の大好きな人です。司祭としてキリストの復活を宣言し、キリストが栄光のうちに来られることを待ち望み、揺るぎない希望と信仰を証し、罪と死に対する命の勝利を宣べ伝えます。皆様も、雄鶏の性格を自分たちのものとして、暁と共に目覚め、私たちの光である主を仰ぎ見てください。「昇ってくる正義の太陽」(参照:マラキ3,20、ルカ1,78)である主イエス・キリストを「待ち望み、主を仰ぎ見て、光を受けよう。主がおとずれる人の顔は輝く」(参照:詩篇34,5-6)のです。この新年に当たって、私たちも雄鶏のように、精一杯自分の信仰を伝えて、寝ている人を起こして、注意を促しましょう。神のために声を上げて賛美と感謝を歌いましょう。神のために永遠の「コケコッコ」という命の勝利の叫びを世界の人々に聞かせましょう。今年が光り輝く幸せな年となるように切に祈っています。
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                         主任司祭 グイノ・ジェラール神父
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