今 月 の こ と ば
2015年03月
ストレスから救われた振り子時計

  何についても心配する家の壁に掛かられている振り子時計は、ある日、一年間の間に、何回「チクタク」と振り子を振るかについて考え始めました。 今は1秒間に1回だけ「チクタク」と振り子を振っていますが、もし1秒間に「チクタク」と2回振り子を振るなら、1分間で120回、1時間で7,200回、1日に172,800回、そして1週間で1,209,600回「チクタク」と振り子を振ることになります。 即ち、この振り子時計は1年間に6,300万回「チクタク」と振り子を振らなければなりません。 それについて考えれば考えるほど、振り子時計は益々不安を感じ始めました。 その結果、結局非常に思い悩んだ振り子時計は、ストレスのせいで病気になりました。

 振り子時計の精神科医に自分の問題を打ち明け「最早(もはや)そんなに『チクタク』をする力がない」と言いました。 精神科医は、振り子時計に尋ねました。 「あなたは今、1秒間に何回「チクタク」と振り子を振るのですか?」と。 「今は、1回だけです」と振り子時計は答えました。 「それなら、心配する必要はありません。 1秒間に1回だけ「チクタク」と振り子を振って、次の「チクタク」については何も考えないでください。 そうすれば、きっと元気になるに違いありません」と精神科医は振り子時計に進めました。 その日から、振り子時計はその通りにしたので、思い悩まずに昔の元気を取り戻して喜んで「チクタク」と振り子を振っています。

 同じように、心配する私たちにイエスは次のように言われます。 「明日のことまで思い悩むな。 明日のことは明日自らが思い悩む。 その日の苦労は、その日だけで十分である」(マタイ6,34)と。 私たちも解決出来ない問題がある時、振り子時計がしたように、心と魂の医者であるイエスにその問題を打ち明けましょう。 毎日ずっと私たちと一緒におられるイエスは、その日その日の恵みを与えられるでしょう。 そして、未来の出来事は一度で全て出来るのではなく、少しずつ毎日現れることを忘れないようにしましょう。


 ですから、体と魂の健康を保つために次の幸せの ピに従いましょう。
人生のカップの中に、真の愛の砂糖と理解の薬と親切の水を入れて、柔和のスプーンでよく混ぜましょう。 そして忍耐の粉を降りかけて、悪口と批判の攻撃に抵抗するために、度々うがいをしましょう。 メインディッシュとして次のことを特に勧めます。 善意のフライパンに、日常の慈しみのバターを入れ(注意:高慢と利己主義の油は使わないで)、揺るぎない信仰と条件なしの希望の種をたっぷり入れましょう。 更に、分ち合いともてなしと赦し合いを充分加えて、喜びの火の上でゆっくり温めましょう。 その素晴らしい真理の風味を良く出す為に、真実と正直を香草として降りかけましょう。 そして、出来れば静かな謙遜な心で、カロリーの高いこの料理を味わいましょう。 最後の仕上げに、人生の愛の完成に辿り着くために、極上銘柄のワインのユーモアーを一杯飲めば、気分は上々です。 そして、この料理をより高く評価する為に大勢の人を誘いましょう。 あ、そうそう、食前の祈りを忘れないようにしましょう。 では、人性に乾杯! Bon appétit!(ボン・アペティ)

              主任司祭 グイノ ・ ジェラール神父
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